【漫画】健康で文化的な最低限度の生活(ケンカツ) 生活保護を甘えだと思う人に読んでほしい

生活保護を受けてる人にも同じ人間だ

『健康で文化的な最低限度の生活』は、作者柏木ハルコさんによる漫画です。

ビッグコミックスピリッツにて2014年から連載中だそうです。

2018年7月17日からフジテレビの火曜21時から、吉岡里帆さんが主演でドラマを放送中なのです。



この漫画は生活保護を担当する新人ケースワーカーの奮闘を描いたものなんですね。

 

タイトルにも書かせていただきましたが、「生活保護を受けている奴は甘えている!!」と主張する人にこそ読んでもらいたいです。

主人公、義経えみるはちょっと空気が読めないけれど誠実な人柄。

 

公務員になったものの、福祉事務所に配属され、慣れない業務に戸惑っていました。

義経の仕事は生活保護の担当です。

 

生活保護…すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、といった理念に基づき、困窮する国民に対し、その困窮度合いに応じた保護を行うものです。最終的には自立することを目標としています。

 

しかし、この生活保護費というのは年々増え続けているのです。

それに加えて不正受給といったこともニュースになっていたりもしました。おそらく、この漫画が始まったのも2013年あたりのニュースを受けてではないでしょうか。

 

私も当時、ニュースを読んでいたり見た記憶があります。

印象が強かったのは、お笑い芸人の母親の話と保護費でパチンコに通う人でしょうか?

特にパチンコに通う人に関しては「??? 保護費をパチンコに使うなよ」と思っていた気がします。

 

本編に出てくる人たちは一癖も二癖もある人たちばかりです。

生活保護を受ける人たちなのですから、生きるか死ぬかのような状況も当然と言えば当然なのかもしれません。

 

生活保護は国民最後の砦、税金で生きている人たちは私たちと違うのか?

 

えみるが直面する問題ひとつひとつにそんな問いかけがあるように思います。

 

1ケース減ってよかった…?

あるとき、えみるが電話をとると

「これから死にます」

そう言ってきた人がいました。男性は平川といい、いつもそういっているらしいのです。

 

近くの親戚に電話をかけても、いつものことだから放っておいていい。

戸惑うえみるに職場の先輩は言います。

「この仕事一個一個真剣にやってたら身がもたないから 適度に力抜いたほうがいいよ」

とはいえ、えみるはもう一度電話をかけ直し、メッセージを残します。

 

結局、平川さんは本当に飛び降りて死んでしまいました。

呆然とするえみるに、先輩は慰めてくれます。

「まっ ここだけの話 一ケース減って良かったじゃん」

その言葉に思わず涙を流すえみる。

 

(そうだよ… この人の月13万8千円ちょっとの生活保護費は…国民の血税から支払われてたわけだし…)

 

ベテランの半田さんとともに、平川さんの自宅に入りました。

平川さんの部屋は整理されてすきっとした部屋で…

山登りがもともとは趣味だったのでしょうか、山の写真…

 

そして、伴侶とともに笑顔で写った写真。

 

(あ… …あれ? …いや、いや、いや、この人…生活の工夫して生きてる、してるよ…生きる努力…)

えみるは愕然とします。

(……110ケースあろうが……国民の血税だろうが……ダメだ それ…言っちゃあ、何か大切なものを失う…気がする…)

 

職員の視点も、受給者の視点も描かれている

この漫画でいい、と思うのはどちらの視点もあることではないでしょうか?

いわば職員の視点、というのは私たち一般人の視点だと思います。特に、新人であるえみるたちは。

 

もちろん、ベテランのケースワーカーも出ています。

 

受給者のなかには、「生活保護なんか受けたくない!」という人も出てきます。

そのお母さんは働ける状態でないのに、早く今の状況から抜け出そうとして求職活動をしていました。

私も一時期受けなくてはならないかも、と悩んでいたときがあったので気持ちは痛いほどわかります。

 

他にも、不正受給になることを知らずにバイトしてしまった高校生。

アルコール依存症で何度酒を手放そうとしても再飲酒して生活が破綻してしまう男性。

DVから逃れて上京したものの、息子の世話になるのは負担を強いるのは嫌だという老婦人。

親は養える状況にあるが、昔受けていた虐待のため関わりたくないという男性。

 

たくさんのケースが描かれています。

 

最初の関わり始めた段階だと、甘えにしか見えない状況ばかりでした。

えみるは何でもストレートに解決しているわけではありません。

難問に直面してはどうしたらいいのだろう、と悩みながら行動する。

時には間違ってしまうこともあるけど、それが私たちに対する問いかけになるのではないか、と。

 

えみるたちは、受給者に対して「税金なんだから…」といった言葉を出してしまうことがあります。

もしくは、「なんでこんなワガママいうんだろう…」など。

 

指導に従ってもらえないことから出たものでした。

 

こうすれば正解、というものがあったとしても複雑な状況で生きている人間にはなかなか当てはまるものではありません。

受給者にとっては担当が一人でも、えみるたちにとっては数多くいるうちの一ケース。

つい、処理したくなるだろうし、そうでないとやってられないのでしょう。

 

でも、これは他人事ではないのだと思います。

私たちは仕事をして、それを糧に生きています。顧客が数字に見えることだってあるのではないでしょうか?

 

この漫画は、人の顔を浮かべ続けることの意味を考えさせてくれます。

 

健康で文化的な最低限度の生活



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