皇帝 飛鳥亨のリーダー力
リーダーについては何となくこういったイメージがあります。カリスマ性があって、実力があって、チームの中心にいるような感じでしょうか?
最近、私の中のリーダー像にしっくりくる人間を見つけました。人間、というか漫画のキャラですが。
私が思うリーダーの理想をやっているので紹介してみたいです。
現在、天才に見えても過去は……
後輩に語っているのはエリアの騎士のライバル校、葉陰学院エースの飛鳥亨という天才DF。天才という冠詞がついているものの、飛鳥本人は自分のことを凡人だと思っています。
ドリブルも下手、足も速くないなどサッカーの才能があると言われる選手の持つものをもっていないからなんですね。それでも世代別の代表に呼ばれるようになったのは自分がやってきた努力のおかげだと思っているわけです。
そう、才能のおかげだなんてこれっぽっちも思ってない!
小中とめったに試合に出られず、ポジションも努力がものをいうDFに変更。上手い相手と対峙するときは必ずといってもいいほど自分の技術と比べています。
下手なことで自分を卑下するわけではないですが、あればいいなと感じているのでしょうね。
後輩である鬼丸に、飛鳥は素直に羨ましいといっています。
実はこのシーン、練習で守備に走らされて文句をいっていた鬼丸を捕まえ、寮の自室に連れてきたシーンです。本来なら横浜出身の飛鳥は寮に入る必要がないにで、鬼丸は疑問を抱きます。
そもそも、伝統校のエースが声をかけてくれる時点でだいぶうれしいような気はする。鬼丸の意識としても天才DFだから嬉しくないはずはないだろうが、どちらかというと面倒そうだ。
「寮に寄ってかないか」
「はぁ……」
本当に気乗りしてない。笑
そして、飛鳥の自室を見て驚く鬼丸。
トレーニング器具がたくさん置いてあるのです。さすが医者の息子……、中古とはいえよくこんなに買ったな。
「勉強の合間にちょっとでも使いたいからな」
寮ではみんなが使うので自前で揃えたらしいです。ほんとストイック!
おそらく、鬼丸は天才と呼ばれる人の普段の意識を垣間見たことでしょう。トレーニング器具以外には本棚も凝視していました。ちなみに、本棚にはサッカーの戦術本?などが入っていますね。
いや、しかし本当に鬼丸マジで態度がチャラい。
「はぁ―――天才リベロにもそんな時代があったんスね!」
この適当に会話してる感じ。笑
飛鳥は天才、という表現や才能といった表現をことごとく否定します。しかし、ただの謙遜ではなく事実を述べていくわけです。
天才としての言葉でなく、ただのサッカーが大好きな少年として。
「勉強なんかほんとはやりたくなかった サッカーだけをやっていたかった……」
寮に入っているのも大好きなサッカーに集中するためなんですね。
鬼丸の立場にぐっと飛鳥は寄せて話を進めてるのがすごい。ここらへんで鬼丸の表情が真剣になりはじめています。
おそらく飛鳥はある程度の計算も入っているかもしれませんが、誠実に対応してますね。とてもいい先輩!
後輩の可能性を信じて、自分の未熟だった部分を話しながら説得する姿は理想のリーダーでした。
飛鳥は後輩にいいカッコしないんですよね。メンタルはほんと完璧です。
「技術を見るなら世界に凄いのがいくらでもいる 近くで目標にするべきなのはこっちの方だ」
鬼丸が最終的にこう思うくらいに。いや、でもお前それ飛鳥さんのこと技術微妙っていってる感じがするぞ。笑
にしても飛鳥はほんとうに人間ができすぎですね。ていうか高校生にみえない。
江ノ高2戦目で、1年の蝦夷が失敗したときに監督にお願いしてるんです。
「コイツは葉陰学院の2年後を背負うことになる男です ですから1年の今から自分のやってしまったミスの責任をピッチの上で取ることを覚えさせてやりたい」
え、何なの。このリーダーシップ。
もうきみ、今の試合どころか2年後を見据えながら試合やってんの??
欲深いなー笑。だってそれ勝ちながら後輩を育成しようって腹でしょう。こりゃ後輩に慕われますわ、こんなん神奈川ナンバーワンDFに期待されたら落ちますよ。
失敗を失敗したままで終わらさせたくない、っていう先輩としての温かみが感じられて好きなセリフです。
私もこんな先輩になりたいですね。紹介したシーンは13巻と19巻で出てきます。ぜひ興味があれば読んでみてください、あわよくば飛鳥の魅力に……!
- 作者: 月山可也,伊賀大晃
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